Statement

主に機材やフィルムの感度、あるいは予算の問題で、モノクロ時代からハリウッドでフィルターなどを使用して日中に夜のシーンを撮影する手法を、仏語では『アメリカの夜』と呼ぶ。濃灰の空に大きな雲がぽっかりと浮いていたり、人物や建物の影がしっかりとできていることで映像の嘘が露呈し、頭の中で暫し物語がとまる。奇妙な違和感によって夜が夜という自明性を失うその時間は、わたしにとって、むしろこうなるだろうと思い込んでいる物語の滑らかな流れをせき止める稀有で自由な時間でもある。そしてそれを繰り返し目に焼き付けたいと思う。映像としては偽の黒、しかし乳剤としては真の黒として。

Biography

外久保恵子｜Sotokubo Keiko

静岡県浜松市生まれ、東京在住。

主な個展

1992『縁辺、そのまどろみ』ツアイト・フォト・サロン、東京
1995『ゆれる翳』パストレイズ横浜フォトギャラリー、横浜
1999『PASSAGE,RÉPÉTITION』ギャルリサテリット　エスパスマリーK、パリ　フランス2003『NOW-HERE』ギャルリサテリット、パリ　フランス
2007『些細な出来事1-22』ギャラリー山口、東京
2009『コペルニカニッシェ・ウエンドゥング』ギャラリー山口、東京
2013『IN THE STILL OF THE DAY』ビーンズソウルギャラリー、韓国
2014『ことの中途に』ザ・ホワイト　東京
2016『mémoires perdues』ギャルリサテリット、パリ　フランス
2018『NIGHT WINDS WHISPER TO ME』ギャルリー東京ユマニテbis

主なグループ展

2008『ART JAM』ギャラリー山口、東京
2016『LE BAL』ツアイト・フォト・サロン、東京
2017『PHOTO LA』ロサンゼルス、USA
2018『Le pont rouge, exposition collective』ギャラリーメスタージャ、東京
2023『DOUCE FRANCE』（ドゥース フランス）ギャラリーメスタージャ、東京