Statement

死、死者、恐山をテーマに製作したカセットテープリリースの自主音源「薄明」を基に、同年3月、兜町オルタナティブスペースAAで音響展示を行った。
この大音響と立体音響システムを用いて制作した「触れ得ない音楽と死へ身体的・直接的にアフォードする」ための展示を、ちょうど逆さの視点から見つめ内容を敷衍する本作では、音源薄明の中で扱われた恐山のサウンドスケープを共に、テーマである個人の記憶によるところの死者、死と音響現象の類似性（現在時間における両者の認識不可能性と時間感覚上の一致）音への物質的・彫刻的、静的なアプローチを持ったインスタレーションを制作する。また、本展示は一度制作を終えた音源にテーマを通して今一度自身が向き合い、何が生まれるのかを考えるための実験の場として公開する。

Biography

若狭真司（Shinji Wakasa）

1984/04/14生まれ。作曲家/ アーティスト。 CM・映画音楽、ファッションショーやアートエキシビションへの作品提供や制作を行う。自身のアーティストワークにおいては静けさと抑制を意識しながら、響き/ テクスチュアに根差した音と音楽の強度を信条とし、これまでに Rottenman Editions Label(Spain),Archives(Spain),Inner Ocean Record(Canada),Fluid Audio label(UK) 等多数の海外レーベルから作品をリリースする。近年はテーマである死と音楽の物質性に対して、場を用いたアプローチを試みている。

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