Overview

これまで2回開催されたsituation roomは出版社の考えや本の在り方を展示の中で空間内に再定義し本作りのメッソッドの可視化を試みた。 situation room 03から新たな試みとして展示の中で提示される作品とそこから派生して生み出される本との関係を考えてみたい。

まず、作家の条件としてほぼ展示をしたことがないこと。
他者(デザイナー)が加わり作家の作品の方向性をともに展示に向けて平行して作り上げていくこと。

作家は、本作りの中で見いだされた他者の解釈を自身の作品のなかに取り込みさらに考えを発展させ、さらなる作品の発展形を展示に取り込むことができるか？

これは本というメディアを単純な記録としてとらえるのではなく
さらなる作品へのアプローチの気づきを呼び起こすための装置として
機能できるか、また作家自身が自身の作品を作る上でのガイドとしての機能となり得るかの実験である。

Statement

Masafumi Tsuji / individual / individual primes d:1
ある空間に対し見る行為がもたらす感覚とその定着、更新までを写真を用いてコレクティブし、再び空間(本、プロダクト、参加者や観客との関係を含む)へ逆照射する。見ることは視点と空間を渡す意識の中で隔たりのない、ひとつながりのものである。

（「個」＝独立した存在としての1）とは、ある視点の先に存在する<個>の意識が流動する視点の中で集積化され、より大きな<個>として視覚される位相意識を捉える手法として自身が呼んでいるものであり、視覚される存在の中心のみを接続し直すことでパースが消失し、超主観と超俯瞰が同列に視覚化される視点である。

この視点の欲求へと至る思考を素数的に解体、拡張しようとする試みがindividual primes d:1であり、多視点性や不確かさを捉え直し再構成することで見る行為のリアリズムを模索する。

Biography

Born 1993 in Japan
Tama Art University 2012-2017
https://www.masafumitsuji.jp