Exhibition 展覧会情報
行田 岳史「HEART OF DARKNESS」
2019年07月16日 〜2019年07月27日
13:00〜19:00 日・月曜 休み
Events
トークショー
タカザワケンジ(写真評論家) × 行田岳史(写真家)
2019年7月18日(木) 19:30〜20:30 開場19:00
無料 先着20名 予約不要
Statement
サミュエル・ベケットによる「ゴドーを待ちながら」は、荒地に立つ1本の木のそばで、2人の男が、やってくる筈のゴドーという人物をひたすら待ち続け、とりとめのない会話を繰り返していく、何も起きない物語だ。
さしずめ自分にとっての荒地に立つ1本の木とは、碓氷峠を越える絹の道、シルクロードだったと言えるかもしれない。
シルクロード沿いの都市から都市へと歩く。
カメラという機械が写し出す、灰色の痕跡とノイズ。未だ本物の幻視する天使も、やせたカウボーイも現れない。大量の痕跡とノイズはどこに届くかもわからない。
物語るということが、時間が前に進むことだとすれば、写真は時間の流れというものを感じさせない。写真を撮るという行為は、とりとめのない会話に似て、あるがままに撮りながらも、どこでもない、現実とは別のビジョンを延々写し、断片化する。
写真によって都市の姿は断片化され、物語、時間は解体される。カメラのシャッターを切るという行為は、何もしていないにも等しい「ゴドー待ち」の時間なのかもしれない。
Biography
東京都出身。金村修ワークショップ参加。