ALTERNATIVE SPACE The White

Exhibition 展覧会情報

金子 泰久「混乱静寂停止継続 / Confusion silence stop ongoing」

金子 泰久「混乱静寂停止継続 / Confusion silence stop ongoing」

2016年10月25日 〜2016年11月05日

13:00〜19:00 日・月曜 休み


展覧会内容:
2016年度4回目の展示となります。今回はB0ノビ相当サイズでの展示を予定しています。また、The Project50として、一年間に毎週一冊ずつ本を出版するという試みを、2016年4月から始め10月で折り返し地点を通過します。展示期間中には出版された冊子を会場に用意しております。ご高覧頂けましたら幸いです。

Statement

雨が降る。降り続ける雨の中、墓を掘る。深さは必要なものに達しつつあるが、降り続ける雨のため水が溜まる。角型ショベルで水を持ち上げ投げ捨てる。雨が降る。水の排出を続ける。溜まった雨水を角型ショベルで掬い投げる。同じ行為の繰り返しである。角型ショベルで溜まった水を掬い、投げ捨てる。この行為を何回も続ける。視点は常に角型ショベルの先にある。繰り返し繰り返しショベルを持ち上げ、水を掬い投げる。雨が降る。身体が繰り返しの行為に慣れはじめる。視線を定めたまま角型ショベルを持ち上げる。身体が行為に慣れる。考えずに反応する。考えずに水を掬い投げる。水を掬い投げる。角型シャベルで掬い投げる。思考は止まる。雨が降る。ショベルを持ち上げ、水を掬い、投げる。考えずに身体が反応する。思考が止まる。繰り返し、繰り返し、繰り返し、ショベルを持ち上げる。壁土が大きく崩れる。止まっていた思考に混乱が生じる。方々の土壁が崩れはじめる。土を先に搔き出すべきか、このまま水を掬い続けるべきか。再び、水を掬い投げる。雨が降る。身体が繰り返しの行為を憶いだす。視線を定めたまま角型ショベルを持ち上げる。身体が行為に慣れる。考えずに反応する。思考は止まる。壁土が崩れる。水を掬い投げる。雨が降る。視線は角型ショベルの先端にある。水を掬い投げる。角型ショベルで水を掬い上げ投げる。壁土が崩れる。同じ行為の繰り返しである。思考が止まる。身体が反応する。雨の勢いが強くなる。壁土が崩れる。墓は完成しつつあるが、このまま雨水を放っておけば土が崩れ、墓は土砂で埋まってしまうだろう。雨が止むまで作業を中断するべきか。シャベルの動きが止まる。崩れる壁土を見る。。雨が降る。横風に流され、視界の中を斜めに雨が走る。粒であった水滴が、風に流され細い線になる。線が幾重にも重なり視界の中を流れる。雨が地面を叩く。大粒となって勢いを増す。バシャバシャと音を立てながら、地面を叩く。崩れる壁土を見る。雨が降る。降り続ける雨の中、作業を再開する。深さは必要なものに達しつつあるが、降り続ける雨のため水が溜まる。壁土が崩れる。角型ショベルで水を持ち上げ、投げ捨てる。雨が降る。水の排出を続ける。溜まった雨水を角型ショベルで掬い投げる。再び、同じ行為の繰り返しである。角型ショベルで溜まった水を掬い投げ捨てる。この行為を何回も続ける。視点は常に角型ショベルの先にある。繰り返し繰り返しショベルを持ち上げ、水を掬い投げる。雨が降る。身体が繰り返しの行為に慣れはじめる。視線を定めたまま角型ショベルを持ち上げる。身体が行為に慣れる。考えずに反応する。考えずに水を掬い投げる。水を掬い投げる。角型シャベルで掬い投げる。思考は止まる。雨が降る。ショベルを持ち上げ、水を掬い、投げる。考えずに反応する。思考が止まる。繰り返し、繰り返し、繰り返し、ショベルを持ち上げる。壁土が大きく崩れる。止まっていた思考に混乱が生じる。方々の土壁が崩れはじめる。土を先に搔き出すべきか、このまま水を掬い続けるべきか。水を掬い投げる。雨が降る。水を掬い投げる。身体が繰り返しの行為を憶いだす。視線を定めたまま角型ショベルを持ち上げる。身体が行為に慣れる。考えずに反応する。思考は止まる。壁土が崩れる。水を掬い投げる。雨が降る。視線は角型ショベルの先端にある。水を掬い投げる。角型ショベルで水を掬い、投げる。壁土が崩れる。思考が止まる。身体が反応する。水を掬い投げる。雨の勢いが強くなる。壁土が崩れる。墓は完成しつつあるが、このまま雨水を放っておけば土が崩れ、墓は埋まってしまうだろう。雨が止むまで作業を中断するべきか。シャベルの動きが止まる。崩れる壁土を見る。。雨が降る。横風に流され、視界の中を斜めに雨が走る。粒であった水滴が、風に流され細い線になる。線が幾重にも重なり視界の中を流れる。雨が地面を叩く。大粒となって勢いを増す。バシャバシャと音を立てながら、地面を叩く。崩れる壁土を見る。雨が降る。崩れる土と水を同時に搔き出す。重さが増す。角型ショベルを深く突き刺し、水と土を掬い投げ捨てる。壁土の崩壊が止まらない。土と水を掬い、投げ捨てる。出来上がりつつあった墓の姿が、今はもう無い。雨が降る。土が崩れる。水が溜まる。土と水を掬い投げ捨てる。繰り返し、繰り返し、繰り返し、土と水を掬い、投げ捨てる。身体が重さに慣れる。行為にリズムが生まれる。思考が止まり、身体が動く。土と水を掬い、投げ捨てる。土と水を掬い、投げ捨てる。身体が重さに慣れる。行為にリズムが生まれる。思考が止まり、身体が動く。土と水を掬い、投げ捨てる。土と水を掬い、投げ捨てる。雨が降る。水が溜まる。土が崩れる。土と水を掬い、投げ捨てる。土と水を掬い、投げ捨てる。土と水を掬い、投げ捨てる。土と水を掬い、投げ捨てる。雨が降る。視点は常に角型ショベルの先にある。